読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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迷路の問題を135人の高校生に,計算問題(2桁の数字の足し算)を232人の大学生に解いてもらって,競争的報酬制度を選択する程度が,性別や兄弟姉妹の構成で異なるかを検証した。まず,性別については,男性の方が女性よりも競争的な報酬制度を選ぶ傾向が高いことが明らかにされた。これは,多くの先進国で共通に観察されることだ。
興味深いのは,兄弟姉妹の構成の影響である。高校生のサンプルでも大学生のサンプルでも,姉をもった男性は,他の男性よりも競争的報酬を好まないことが明らかになった。また,高校生のサンプルでは,弟をもった女性は,競争的報酬を他の女性より好む傾向が見られた。さらに,大学生のサンプルでは,姉をもった女性が他の女性よりも競争的報酬を好むという傾向が観察された。
大竹文雄 (2017). 競争社会の歩き方 中央公論新社 pp. 149