読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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すべての鳥が,あらゆる点において同等に賢かったり有能だったりするわけではないのは明らかだ。少なくとも,現在わかっている範囲ではそうだ。例えばハトは,いくつかの問題を解くのに一般的な法則を導き出さなくてはならないような作業を苦手とする。これはカラスがもっとも得意とするところだ。だが平凡なハトもほかの点においては優れている。何百という異なるものを長期にわたって覚えていられるし,異なる絵画のスタイルを識別し,見知った場所から数百キロも離れた地点でも飛ぶべき方向を知っている。チドリやシギ(ミユビシギなど)の仲間には,「洞察学習」の証拠が見られない。洞察学習とは,カレドニアガラスのような鳥が道具を使ったり,人間がつくった装置を操作して褒美に餌をもらったりするときの物事の関係性の理解を指す。しかしチドリの一種であるフエチドリは芝居染みた行動の大家で,「翼が傷ついたふり」をして捕食者の目を浅くて丸見えの巣から遠くへそらす。
ジェニファー・アッカーマン 鍛原多惠子(訳) (2018). 鳥!驚異の知能:道具をつくり,心を読み,確立を理解する 講談社 pp. 32-33