読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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人間と同じく,鳥もいろいろな物を食べたいので,おいしい物でもたくさんはいらない。この傾向は「感性満腹感(specific satiety effect)」と呼ばれる高度な社会的能力だ(この感覚はわかりやすいと思う。チーズをずっと食べていると,もうあと一かけらも欲しくなくなる。そこで果物を食べる)。カケスのメスが何を好むかは,経験によって異なる。オスにとって,メスのこの変わりゆく好みを知ろうとするのは当然の流れだ。なにしろ,メスが一番望んでいる餌をあげることが,互いの絆を強力にしてくれるのだから。果たして,この実験でカケスのオスはメスが食べたい餌を察することができたらしく,これまで食べていなかったほうの幼虫をメスにあげた。
ジェニファー・アッカーマン 鍛原多惠子(訳) (2018). 鳥!驚異の知能:道具をつくり,心を読み,確立を理解する 講談社 pp. 162