読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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神経科学の用語を使うなら,脳は「大規模並列処理をする分散制御システム」だと言える。つまり,脳はおびただしい数の微少な「プロセッサ」――ニューロン――を持ち,これらのプロセッサは並列処理する一方で全体に分散している。したがって脳にとって解決すべき問題は,これらの分散リソースすべて――その動物が知っていることの総体――をどう統合し,課題(たとえばナビゲーション)にどう立ち向かい,不測の事態(嵐など)にどう対処するかになる。
この作業は「認知的統合」と呼ばれる。ハチの脳には約100万個のニューロンしかないが,この作業をやってのける。約1000億個のニューロンを持つヒトの脳もやはり同じことをおこなう。
ジェニファー・アッカーマン 鍛原多惠子(訳) (2018). 鳥!驚異の知能:道具をつくり,心を読み,確立を理解する 講談社 pp. 348-349