読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。
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アイデアの流れにおいても同じことが起こる。社会的学習では,行動を示す人物(ロールモデル)と示される人物の間で多くの交流が発生し,行動を示される人物が他人の影響を受けやすい(受容性が高い)場合,新しいアイデアが受け入れられて行動変化が起きる可能性が高くなる。他人からどの程度の影響を受けるかは,ロールモデルが自分と近い人物で,新しい行動が有益なものになりそうか,ロールモデルに対して信頼感を抱いているか,新しい行動とこれまでに学習した行動が一貫したものであるかなど,いくつかの要因によって決まる。広告業界の人びとはよく「バイラルマーケティング」に期待するが,アイデアの流れるスピードは極めて遅くなる場合もあるのだ。
アレックス・ペントランド 小林啓倫(訳) (2015). ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学 草思社 pp. 49