忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ナルシストの自己欺瞞

 こうした自己欺瞞はナルシストにとてもよく見られるものだけど,ある程度の自己欺瞞なら多くの人がしている。そのプロセスを理解するために,ポールハス教授は社会的に望ましい反応を役立つ2つのタイプに分けている。
 わかりやすいのは印象操作(impression management)というタイプで,これは好ましい(社会的に望ましい)印象を他者に与えるように自己を呈示しようとする意図的な試みをいう。そのために,ポジティブな特性を誇張したり,ネガティブな特性を否定したりする。
 2つめのわかりにくいタイプは,自己欺瞞的高揚(self-deceptive enhancement)と呼ばれていて,ポジティブな方向に偏りつつも正直な自己表現をする傾向だ。この特徴が強い人は,言っていることと考えていることに違いがない。自分についてすばらしいことを言っていたら,それは本当にそう信じているのだ。勘違いなのである。そういうわけなので,人が自分のことをポジティブに表現するよう指示されると,印象操作の度合いは急上昇する(印象操作は故意にすることだから)。でも自己欺瞞的高揚の度合いはほとんど変わらない(自己欺瞞的高揚は意識しないものだから)。お察しの通り,ナルシシズムの特性が高い人はたいてい自己欺瞞的高揚の度合いも強いけれど,印象操作については他の人たちと変わらない。

サム・ゴズリング 篠森ゆりこ(訳) (2008). スヌープ!:あの人の心ののぞき方 講談社 p.153
(Gosling, S. D. (2008). Snoop: What Your Stuff Says About You. New York: Basic Books.)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]