私たちは,見たところ中立的なこの検索が,ある人物がどちらの候補に投票しようとしているかを探る手がかりになることを発見した。
どのようにか?候補名の入力順だ。我々の研究によれば,両候補を含む検索においては,支持候補の名前を先に入力することのほうがはるかに多い。
過去3度の大統領選では,検索語として先に入力された候補が当選している。さらに面白いのは,この入力順は,個々の州の投票動向の良い先行指標になることだ。
候補の検索入力順は,世論調査が見逃している情報をも含んでいる。2012年にオバマと共和党のミット・ロムニーが戦った際,統計学の達人でジャーナリストのネイル・シルバーは,50州すべての当落予想を的中させた。だがロムニーの名をオバマより先に入力した州では,ロムニーは実際,シルバーの予想を上回る得票ぶりだったことが,私たちの検証でわかった。オバマを先に入力することの多かった州でも,オバマはシルバーの予想を上回る勝ちぶりだった。
セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ 酒井泰介(訳) (2018). 誰もが嘘をついている:ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性 光文社 pp. 23
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