一方,グーグルでは「グーグル・コリレイト(Google Correlate)」というサービスを開発していた。これを使えば,健康関連だけでなくさまざまな分野で同様の分析ができる。経時的に追跡している任意のデータ系列に対して,最も相関性の高い語句検索がわかるのだ。
たとえば,グーグルのチーフ・エコノミストのハル・バリアンと私は,住宅価格に最も深く関わっている検索語を明らかにできた。住宅相場の上げ局面では,米国人は「80/20ローン」(借入総額を8割と2割の2本のローンに分割して頭金やローン保証の支払を避けるタイプの契約)とか「新築工務店」とか「価格上昇率」などの単語を複合検索していた。下げ局面での検索ワードは「早期売却」とか「ローン残額割れ」(住宅の実勢価格がローン残額を割り込んだ状態)とか「住宅ローン債務免除益法」などが増える。
セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ 酒井泰介(訳) (2018). 誰もが嘘をついている:ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性 光文社 pp. 73-74
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