検索データ分析には,何がヘイトを起こし,また減らすのかを学ぶ別の有意義な使い方もある。たとえば黒人のクォーターバックがドラフトされた際の,あるいは女性が公職に当選した際の,人種差別的,性差別的な検索数を調べることができる。地域の警察活動と人種差別主義が,あるいは新しい反セクハラ法と性差別主義が,どのように呼応しているかも調べられる。
意識下の偏見について学ぶことも有意義だ。たとえば,少女を励まし,あまり容姿を気にしなくてすむよう,誰もがもっと努力できるかもしれない。グーグル検索データやネット上の真実の泉は,人間の心の闇をかつてないほど明らかにする。これは時として認めにくい事実だ。だがそれが私たちを強くもする。データを持って心の闇と戦うことができるのだ。世界の問題に対するデータを豊富に集めることは,問題解決への第一歩なのだ。
セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ 酒井泰介(訳) (2018). 誰もが嘘をついている:ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性 光文社 pp. 188
PR