忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ブローカとウェルニッケ

 ブローカとウェルニッケ二人の研究から,話すことと理解することとは切り離されているという,いわゆる「二重乖離」が示された。ブローカ野が損傷を受けた場合,言葉を発することはできなくなるが,理解することは問題なくできる。ウェルニッケ野が損傷すると,理解することはできなくなるが,言葉を発することはできる。このことは,心が「モジュール(機能部品)」から組み立てられていることを示す重要な証拠となった。言語能力は,他の動物にはなく,人間だけが持つ能力だから,それ以外の心的能力とはっきりと区別されていても不思議はないと思えるかもしれない。しかし言語能力がさらに,言葉を生み出す能力と,言語を理解する能力とに分割されるかどうかはそれほど自明ではない。あるいはブローカとウェルニッケ以前は自明ではなかった。二人はそれら二つの能力が,確かに分割されていることを明らかにしたのである。
セバスチャン・スン 青木薫(訳) (2015). コネクトーム:脳の配線はどのように「わたし」をつくり出すのか 草思社 pp. 47-48

PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]