人は実にさまざまな種類のアイテムをしまっておく。レシート,請求書,雑誌,新聞,手紙,カード,着なくなった服,いらなくなった薬品,食べられない食品,ペン,紙袋,せっけん,箱,厚紙,櫛など,ほぼなんでも家に詰めこむ。極端なホーダーになると,使用済みのトイレットペーパーまで捨てられないことが知られている。ホーディングは家の外にまで及ぶ。赤ちゃん用の壊れたブランコや旧式のオイル・バーナーが裏庭に散らばっているのをよく見かける。
極端なホーディングは,まだ少ししか研究が進んでいない症状であり,強迫神経症と関連づけられることもある。南アフリカのステレンボッシュ大学精神医学部のソラヤ・シーダット博士とダン・スタイン博士は,極度な15例に焦点をあては最近の研究論文で,“ホーディング”のことを「価値がほとんどなくてあまり役にも立たない物を,くりかえし過剰なほど収集し,時間がたっても捨てられないこと」だと表現している。シーダットとスタインによれば,ホーダーが動機としてもっともよく挙げたのは,実用的価値がある物を捨てるのがこわいということだった。彼らは,行動をほとんどコントロールできない,としばしば報告した。「いつか必要になったらどうするんです。先のことはわかりませんよ。役に立つかもしれないんだし,もしそうなったときは捨てたことを心から後悔するでしょう」ということらしい。
サム・ゴズリング 篠森ゆりこ(訳) (2008). スヌープ!:あの人の心ののぞき方 講談社 pp.222-223
(Gosling, S. D. (2008). Snoop: What Your Stuff Says About You. New York: Basic Books.)
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