総合的に言って,私はインターネットがネット世代に好影響を与えていると考えている。ベビーブーム世代にとってもそう言えるだろう。しかし,いくつかの考慮点がある。ネット世代は重大な間違いを犯している。そして,多くの人がそれに気づいていない。ネット世代はソーシャルネットワークなどの場所で個人情報を公開しており,それによって将来のプライバシーを犠牲にしているのだ。彼らは私に「そんなことは気にしていないよ,まずはシェアすることが大事だ」と言う。しかし,私は自分の経験から言いたい。いつか,企業や公的機関での要職に就く時になって,パーティでの恥ずかしい写真が問題になることがあるかもしれない。私は,今こそネット世代が目覚め,自分自身の情報をどれほど公開しているのかを認識すべきだと考える。これらの情報の中にはプライベートに留めておけばよかったと後悔するものも多いはずだ。
ドン・タプスコット 栗原潔(訳) (2009). デジタルネイティブが世界を変える 翔泳社 pp.12-13
PR