忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

投影法でも偽りからは逃れられない

 司法現場で査定される人々は,質問紙検査に偽りの答えをしたり,判定にとって重要なことを答えなかったりすることが時々ある。しかしこの問題はロールシャッハテストでも解消されることはない。このような場合のよりよい解決法は,経歴データや観察データを集めることである。
 たとえば,ある人が情報を隠しているのではないかと疑われる場合には,心理学者はその人を長い間にわたって知っている別の信頼できる人に平行して面接を行なうことができる。査定される人について,職歴,学歴,重要な関係,犯罪行為,心理的既往症などを含む,十分な個人データを集めることも有効な方法である。また,査定される人から得られた情報は,事例記録やその他の資料からの独立のデータで補完することもできる。
 要するに,司法場面で虚偽が疑われる場合に,査定者がロールシャッハテストの疑わしいエックス線パワーにたよることは賢明なやり方ではない。そのようなやり方ではなく,心理学者と弁護士によって役に立つことが以前から認められてきた,より信頼できる情報源を求めるべきである。

J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 p.244-245.
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]