また,ジョーンズ・ホプキンス大学のデヴィッド・シュレトレン(Schretlen, D.)が最近の包括的な文献レビューの中で指摘したように,ロールシャッハテストが偽りの精神障害に対して弱いことは,半世紀近くも前から知られていたことである。「1950年代と60年代にいくつかの研究で,ロールシャッハテストが偽りに対して弱いという証拠が報告されていたにもかかわらず,一部のロールシャッハテスト推進者は,このテストと他の投影法検査はごまかしがきかないといまだに主張している。最近の知見によれば,このような議論はほとんど擁護することができないものになっている。明らかにされるべきなのは,人々がロールシャッハテストの結果をごまかすことができるかどうかではなく,このようなごまかしを見つけることができるかどうかである」。
たとえば数多くの研究が,ロールシャッハテストでは統合失調症を偽ることができるということを見いだしている。
J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 p.244.
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
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