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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ロールシャッハテストの中で妥当性がある指標は

 これらからわかるように,包括システムの妥当性は以前のロールシャッハ法とそれほど大きく異なるものではない。妥当な包括システム変数は大きく2種類に分けられる。第1は知能とそこそこの関連があるいくつかのスコアである。高い知能をもつ人々は,ロールシャッハテストに対してより多くの反応(R)をする傾向があり,彼らの反応はより複雑で(Blends/R, Lambda)よくまとまっていて(DQ+, Zf, W),図版の形によく合っていることが多い(F+%, X+%, X-%)。また高い知能の人々は,図版に対して人間の姿(人間反応),特に運動を含む姿(M)を答える傾向がある。これらの結論は,古いロールシャッハ法を用いた1950年代の研究で報告されているものと似ている。
 第2は,統合失調症,精神障害,思考異常などと関連がある,形態水準の指標(X-%,X+%,F+%)と病理的言語反応(WSum6)である。第6章で述べたように,1950年代の研究では,低い形態水準と病理的言語反応が統合失調症と関連することが確かめられている。最近の研究では,病理的言語反応が,双極性障害(以前は躁うつ病とよばれていた)と,おそらく分裂性人格障害や境界性人格障害(思考障害を含むことがある障害)とも関連することが示唆されている。

J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 p.221
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
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