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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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正常な人を病理とする検査

 リトルとシュナイドマンの結果でとりわけ重要なことは,彼らの研究に参加したロールシャッハテストの専門家が,何も異常がない場合にも,ほとんどつねに精神病の徴候をみる傾向があったことである。ロールシャッハテストの専門家は,正常な人のロールシャッハ反応記録を判定することを求められて,それらに「受動依存性人格」,「ヒステリー性人格」,「分裂性人格」のような名前を当てはめた。ロールシャッハテスト専門家のだれ1人として,正常な人を正しく正常と判定しなかったのである。ある患者はロールシャッハテスト専門家の4分の3から統合失調症的であると判定されたが,じつはこの患者は精神医学的には正常で,ヘルニアの手術を受けるために入院していたIBMに勤める修理工だった。

J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 p.126
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
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