1940年代に書かれたロールシャッハテストに関する重要な本はすべて精神分析の考え方の中で書かれたものであった。マーガレット・ハーツ(Hertz, M.)は次のように述べた。「私たちの多くは精神分析理論の影響を受けた…防衛メカニズム,象徴,意識的・無意識的動機づけ,その他たくさんの概念を用いるような,精神生活の決定因に関する精神分析的なやり方が,ロールシャッハテストの解釈の中に取り込まれた」。
皮肉なことに,ヘルマン・ロールシャッハは『精神診断学』の中で,彼のインク図版テストは精神分析の道具としてはあまり役に立たないと述べ,無意識を探る手段としてそれを用いることには明らかに否定的だった。
J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 p.80
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
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