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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ロールシャッハテストが受け入れられた背景

 1930年代には,多くの心理学者や精神医学者たちは,患者の当てにならない自己記述に頼らずに,個人の全体像を明らかにするパーソナリティ検査を求めていた。ロールシャッハテスト,特にブルーノ・クロプファーによって手が加えられたテストは,この要求にかなうもののように思われた。ロールシャッハテストはエックス線検査のようなもので,気づかれることなく人の心の深層を見抜くことができるとクロプファーは主張した。クロプファーの『ロールシャッハ研究報告』に掲載されたある論文は次のように述べている。「ロールシャッハテストやその他の投影検査が人の心の内面を明らかにすることができるのは,被検査者が自分が言っていることの意味に気づかず,また自分の内面をあからさまにしないという社会規範がはたらかないからである」。臨床心理学者たちにはこのような主張はきわめて魅力的なものだった。

J.M.ウッド,M.T.ネゾースキ,S.O.リリエンフェルド,H.N.ガーブ 宮崎謙一(訳) (2006). ロールシャッハテストはまちがっている—科学からの異議— 北大路書房 pp.47-48
(Wood, J. M., Nezworski, M. T., Lilienfeld, S. O., & Garb, H. N. (2003). What’s Wrong with the Rorschach?: Science Confronts the Controversial Inkblot Test. New York: John Wiley & Sons.)
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