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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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一歩間違えれば差別へ

 優生学思想は母子の健康の増進や清潔な環境の整備,産児制限(家族計画)の思想の普及,健康な男女の組織的な「お見合い結婚」の推進など,プラスの側面も多く持っていた。しかし結局は「民族の血液の浄化」などという激烈なスローガンと結びついて,ナチスドイツによるユダヤ人の絶滅政策まで行きついてしまうのである。ガルトンの個人差研究は,心理学における知能検査や性格検査の開発へと発展していった。個人差研究は適切に用いられればすばらしいものであるが,常に負の側面を抱えざるを得ない。それは歴史がすでに十分以上に証明している。個人差研究が「個性の尊重」であるうちは美しいが,一つ間違えばそれはすぐに差別へと落ち込んでいくのである。

道又 爾 (2009). 心理学入門一歩手前:「心の科学」のパラドックス 勁草書房 pp.115-116
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