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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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方向音痴は手段の問題

 このような経験からすると,「方向感覚」の悪さは固定した能力の問題ではなく,方向感覚を発生させるために必要な行為を怠りなく行うかどうかの問題であると思える。
 この意味では,「方向音痴がなおる」とは,喫煙習慣や肥満の解消に似ている。いずれも目標とすべき状態もそのための手段もはっきりしている。喫煙習慣から脱するにはたばこを吸わなければいいのだし,そのためには手元にたばこを置かないといった簡単な方法がある。また肥満の解消なら,使うエネルギーと摂取するエネルギーのバランスを取ればよい。そのためには,運動をしたり,カロリーを控えればいいことははっきりしている。
 いずれの場合も,問題も解決法もはっきりしている。それでもなかなか喫煙習慣を脱することができなかったり,ダイエットが成功しないのは,解決法を継続することができないからである。そしてこれは,方向音痴にも共通している。目的地から迷わず帰ってくるには,1つ1つの曲がり角の特徴を覚え,そこでどちらの方向に曲がったかを覚えておけばいい。おそらく方向音痴の人たちは,こうした行為を継続して行うことができないのだろう。

村越 真 (2003). 方向オンチの謎がわかる本 集英社 pp.197-198.
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