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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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環境が障害を顕在化させる

 ある視覚障害を持った研究者は,本を買うと電動裁断機で製本を壊し,それをスキャナーにかけて,OCRで文字認識させたものをパソコンの音声ソフトで音声にして「読む」という。この方法により,これまで人手に頼っていた読書は全く自力で行うことができ,それによって読みたい本が読みたい時に読めるようになったという。
 この人にとって,目が見えないという身体的状態は,以前は読書上の障害であったが,情報処理機器の発達により,障害でなくなっている。
 つまり障害とは身体状態そのものにあるのではなく,環境がそれを顕在化させたからこそ発生する。バリアフリーとは身体の状態を障害と考えるのではなく,その人の持つ特性とマッチしない環境を変えることで,障害なく暮らせるようにという発想である。

村越 真 (2003). 方向オンチの謎がわかる本 集英社 pp.211-212
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