生物がいるところ必ず分類がある。いや,生物だけではなく,どんなものであってもそれらを分類することは,私たち人間にとって根源的な行為のひとつである。「分類するは人の常(To classify is human)」とは格言そのものだ。フォーマルな「学」である以前に,分類とはもっと身近なもの,つまりふつうに生活していればごく自然に身についている素朴な分類思考に根ざしているとみなしても問題はないだろう。たくさんの対象物をひとつひとつ覚えられるほど,私たちの大脳は性能がよくない。ばらばらの対象物を少数のグループ(群)に分類して整理することによって,はじめて記憶と思考の節約ができる。