忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

宗教的信念に努力は不要

 宗教的信念をもつには,それほどの努力は必要でない。驚くほど強力な超自然的行為者が自分たちを見ていると思うキリスト教徒も,妖術師がバナナの葉に乗って空を飛んでいると言い張るファンの人々も,ふつうは,そのことを確信するために,懸命に努力する必要はない。これが,なぜ懐疑論者が信念を一種の心的怠慢として見ることがあるのかという理由である。なぜ人々が超自然的存在を信じるかと言えば,それは,彼らが迷信深く,感情に迷わされやすく,心がバランスを欠いていて,純朴で,確率というものがわからず,科学的な素養がなく,文化に洗脳されていて,受けとった知識を疑うだけの能力をもっていないからである。この見方では,人々が信じるのは,彼らが不適格な,あるいは正当性に欠ける考えを却下できない(あるいはそうするのを失念している,そうする時間がない,したくない,あるいはたんにできない)からである。もし人々が次に挙げるような心の管理の常識的原則を一貫して用いるなら,信仰は消え去るはずである。

・明確で正確な思考だけを相手にせよ。
・首尾一貫した思考だけをせよ。
・主張を受け入れる前に,それを支持する証拠を検討せよ。
・反証可能な主張だけを相手にせよ。

パスカル・ボイヤー 鈴木光太郎・中村潔(訳) (2008). 神はなぜいるのか? NTT出版 pp.388-389
(Boyer, P. (2002). Religion Explained: The Human Instincts that Fashion Gods, Spirits and Ancestors. London: Vintage.)
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]