アイデンティティ・キャピタルとは,時間をかけて身につけた,自分の価値を高める経験やスキルのことであり,個人的資産です。自分自身に長い間,じゅうぶんな投資をした結果,自己の一部となったものです。学位や仕事,テストの成績,クラブ活動のように履歴書に載せられるものもあります。もっと個人的なアイデンティティ・キャピタルもあります。たとえば話し方,住んでいる地域,問題の処理能力,外見や印象など。アイデンティティ・キャピタルは,どうやって——時間をかけて徐々に——自分を築いてきたかという証なのです。もっとも重要な点は,アイデンティティ・キャピタルは大人の市場に持ちこまれる資質だということ。たとえていえば,仕事や人間関係のほか,望むものを得るための通貨なのです。
メグ・ジェイ 小西敦子(訳) (2014). 人生は20代で決まる:TEDの名スピーカーが贈る「仕事・結婚・将来設計」講義 早川書房 pp.43-44
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