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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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区画に分ける

空間を区画に分けるのは,私たちが頭の中で空間を考えるときの基本である。非常に曖昧な空間を使った実験でも,その効果の大きさが示されている。たとえばある実験では,被検者はコンピュータのスクリーン上に不規則に並んだ物体の位置をおぼえるよう指示される。するとたいていの人は頭の中で,目に見える物体の位置に基づきスクリーンをいくつかの区画に分ける。そのため物体同士の距離について尋ねられると,同じ区画の中にある物は,区画の外にあるものより近くにあるように感じてしまう。シアトルとモントリオールのどちらが北にあるかを尋ねられたとき,カナダはアメリカより北にあるので,モントリオールのほうが北にあると思ってしまう。リノがロサンゼルスより東にあると思うのは,ネバダ(の一部)がカリフォルニアより東にあるからだ。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.129-130
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認知地図

認知地図はその名の示すとおり,個々人にとってのいくつものランドマークと,外から見たその位置関係を含め,さまざまな要素で構築されている。ある程度までは,ただその光景を見ただけでランドマークの位置関係がわかる。だが,そうしたときでもさまざまな位置から観察する必要がある。そして計量的地図(物の方向と距離が正確に測定されている)をつくるためには,観察地点そのものがたがいにどう結びついているかを知らなければならない。つまり観察に基づいて地図をつくるときは,観察したときに自分がどこにいたのかを知る必要があるのだ。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.107

歩数を数えるアリ

3つ目の仮説は,アリが歩数を数えているということだ。ウェーナーはこの「万歩計」仮説を確かめるため,アリの肢に竹馬(興味がある人のために書いておくと,材料は豚の毛)をつけて伸ばしたときと,ハサミで(!)肢を切って縮めたときとを比較した。このようにして肢の長さを変えられたアリは,巣に戻るとき予想通り距離をまちがえた。つまりこの小さな生きものは,本当に歩数を数えて家を探していたのだ。
 単に歩数を数えると言っても,アリはとても知的な方法で数えている。ウェーナーは別の実験で,急な坂を上ってエサを取ってくるようアリを訓練した。そしてアリが戻ってくるときには勾配をなくして平らにした。アリがただ歩数だけを数えているなら,巣を通り越してしまうはずだ。しかしそうはならなかった。アリはきちんと高度のちがいを修正し,無事に巣に戻ってきたのだ。坂を昇るとき,アリはどのようにして距離を計算しているのだろう?ウェーナーは「これは解明されないままになっている謎だ」と言っている。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.67-68

経路積分

すぐに迷子になる人間とちがって,このアリは自分が今どこにいるかをつねに把握しているようなのだ。なぜそんなことができるのだろう?ひとつの可能性としては,すから匂いのようなシグナルが発せられていて,アリがすぐその位置を正確に察知できるということだ。アリが仲間の通った道を,匂いをたどって追いかけることがあるという話は有名なので,それは考えられる。しかしウェーナーは単純だが巧妙なテクニックを用いて,アリが匂いを追っているわけではないことを証明した。アリが砂漠でエサを見つけると,ウェーナーはそのアリをつまんで他の場所に移動させた。するとアリは,動かされてなければ巣があった「はずの」方向へまっすぐに向かった。アリの巣の位置とそこまでの距離を推定し,その情報を絶えずアップデートすることによって巣の位置を確認していることが,これで証明されたのだ。
 自分の動きを細かく記憶し,その記憶から自分の現在位置を推測することを「経路積分」という。経路積分はウェーナーが研究していたアリをはじめ,さまざまなタイプの動物が持っているナビゲーション・ツールである。これは体の中にアリアドネの糸を持っているようなもので,実にすぐれたツールなのだ。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.64

イヌイットの場合

イヌイットがナビゲーションにすぐれているのは,物体や景色の視覚的特徴を見きわめる卓越した能力を持っているからだ。よく引き合いに出されるのが,1996年に心理学者のジョン・ベリーが行なった研究だ。彼はイヌイットと現代のスコットランド都市部の住民,そしてアフリカの農耕社会テムネの人々の視覚能力を比較した。視覚機能を調べる一連の標準的な心理テストを実施したところ,イヌイットはあらゆる尺度において,テムネ人とスコットランド人のグループと同等か,彼らよりすぐれているという結果が出た。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.41

手を伸ばす

私たちはとくに考えることもなく,1日に何百回も物に手を伸ばしている。実はこの動作を正確に行なうためには,想像以上に多くのハードルを越えなければならない。目に見えているターゲットの位置を把握して,それをもとに一連の筋肉の収縮を起こすためには,網膜に映る物体の位置だけでなく,頭に対する目の位置,体に対する頭の位置,肩に対する腕の位置,さらに胴体の向き(かがんで地面に落ちた物を拾う動作を考えてみよう)までが関わってくることを考えてみてほしい。適切な筋肉収縮を計算するためには,体の各部位の相対的な位置だけでなく,目の前に見える光景を,頭の中で追い続けなければならないのだ。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.29

サッカード

動き回っているとき,私たちはあるものに一瞬,視線を固定すること(これは「注視」(フィクゼーション)と呼ばれる)を何度も繰り返しているが,そのあいだに跳躍眼球運動(サッカード)という動きがはさまる。注視の時間は平均およそ0.5秒。多少の幅はあるが,サッカードの時間はつねにほぼ一定で,0.1秒未満だ。これは注視するもののあいだの距離で変わることはない。距離が長ければ目も速く動く(サッカードは人体の器官が行なう動きの中でもっとも速い)。
 一見ささいなこのことが重要なのは,サッカードはその動きが始まる前から計画されていることを示しているからだ。言いかえると目が動き始める前に,それがどこへ行くのかを目そのものが知っているということだ。こうした性質を持つ動きは眼球運動から核を積んだ弾道ミサイルまで,一般的に「弾道運動」と呼ばれる。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.27-28

左右対称

左右対称の形状は自然界にはよく見られる。そこにふたつ1組のセンサーがそろう。ふたつ1組のセンサーが,便利な位置決め行動を生じさせるメカニズムは,おどろくほど単純だ。日曜大工が趣味の人なら,ペアで使うセンサーのセット(電気屋で安く買える簡単な光センサーなど)と,やはりペアの車輪,エンジンつきモーターを使って,物を探すロボットをつくることができるだろう。向かい合わせの車輪にそれぞれセンサーをつけると,それは光に向かって走っていく。敗戦のつなぎかたを逆にすれば,暗いところに向かっていく内気なロボットになる。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.25

思想の反復

大川もまた,シュタイナーと同様,レプタリアンの依拠する原理を動物的進化と捉え,それに対抗するために,エル・カンターレ信仰に基づく愛と調和による霊性進化の重要性を説いている。総じて言えば,動物的進化と霊的進化の対立というこうした二元論の枠組みは,ダーウィンの進化論に抗して霊性の進化論を構築することを企図したかつてのブラヴァツキーの着想を,飽くことなく反復したものなのである。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.238

爬虫類型異星人

古来,悪魔や悪霊といった存在は,不安・恐怖・怨念といった否定的感情,あるいは過去に被った心的外傷を,外部に投影することによって形作られてきた。近代においてそれらは,前時代的な迷信としていったんはその存在を否定されたが,しかし言うまでもなく,それらを生みだしてきた人間の負の心性自体が,根本的に消え去ったというわけではない。そうした心情は今日,社会システムの過度な複雑化,地域社会や家族関係の歪み,個人の孤立化などによって,むしろ増幅されてさえいるだろう。一見したところあまりに荒唐無稽なアイクの陰謀論が,少なくない人々によって支持されるのは,「爬虫類型異星人」というその形象が,現代社会に存在する数々の不安や被害妄想を結晶化させることによって作り上げられているからなのである。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.178

現代の図式

第二次世界大戦の惨禍の後,オカルティズムが人種差別的見解に結びつくというケースは比較的目立たなくなったものの,霊の性質によって神人と獣人を区別するという二元論的思考,さらには,神的本質を有する人間が獣的勢力によって脅かされるという構図自体は,依然として持ち越された。本章でケイシーやアダムスキーの例を見たように,戦後のオカルティズムにおいては,霊性進化に向かう人類の歩みを,邪悪な超古代的・宇宙的存在者が妨害しているという図式がしばしば描かれたのである。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.176

アダムスキーの背景

このようにアダムスキーは,母船の内部で「スペース・ブラザーズ」や「指導者(マスター)」と出会い,彼らから宇宙の真相を教示されるのだが,構造的に言えばその物語は,神智学の教説において「イニシエーション」と呼ばれてきたものに等しい。神智学によれば,霊的なメッセージを聞き取ることができるようになった修行者は,隠された聖域に招き入れられ,そこで「大聖同胞団」と「大師(マスター)」が執り行う秘儀に参入するとされる。そして,アダムスキーの語る経験は,その過程にSF的な装いを施したものと考えられるからである。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.131

ナチズムの源流

20世紀初頭に開始されたアリオゾフィの思想運動は,ドイツやオーストリアにおいて徐々に支持者を増やしていき,ついにはナチズムの源流の1つを形成することになる(両者の関係については,ここでは十分に論じる余裕がないため,詳しくは巻末に示した諸文献を参照していただきたい)。その運動の特徴について簡潔に指摘しておくとすれば,それは一方で,アーリア=ゲルマン人種の純粋性と至上性を追求するさまざまな結社が広範に普及していったこと,また他方で,劣等人種とされる対象がもっぱらユダヤ人に局限化されると同時に,その動きにまつわる「陰謀論」が語られるようになったことである。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.93-94

シュタイナーの思想

シュタイナーは自身の体系に,ブラヴァツキーが提示した「七周期の進化」という図式を,彼女以上に徹底して組み込んでいった。シュタイナーの人智学においては,地球・人種・文明・人間における進化のプロセスがそれぞれ7つの周期に区分され,その各層が相互に密接な照応関係にあると考えられたのである。そこでは,神智学の周期説の他,「ミクロコスモスとマクロコスモスの照応」という旧来のエソテリシズムに由来する観念や,ヘッケルの有機体的進化論における「個体発生は系統発生を繰り返す」という生命観が折衷・融合されていることが見て取れる。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.68

フリーメーソン

ブラヴァツキー,オルコット,リードビーターといった初期の神智学の代表者たちは,その多くが何らかの仕方でフリーメーソンの組織と接触しており,ある側面において神智学協会は,「神秘主義的フリーメーソン」の一種であったと見ることもできるだろう。両者の共通点としては,従来の宗教の垣根を超えた普遍的真理の探求,「同胞」相互の自由で対等な友愛,秘儀的なイニシエーション,各支部が「ロッジ」と呼ばれること,等が挙げられる。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.61-62

霊性進化論の中心要素

霊性進化論の中心的要素と考えられるものを,ここで列挙しておくことにしよう。

(1)霊性進化——人間は,肉体の他に「霊体」を持つ。人間の本質は霊体にあり,その性質を高度なものに進化させてゆくことが,人間の生の目的である。
(2)輪廻転生——人間は,霊性を進化させるために,地上界への転生を繰り返す。地上での行いは「カルマ」として蓄積され,死後のあり方を決定する。
(3)誇大的歴史観——霊体は永遠不滅の存在であるため,個人の歴史は,天体・人権・文明等の歴史全体とも相関性を持つ。これらの集合的存在もまた,人間と同様に固有の霊性を有し,円環的な盛衰を繰り返しながら進化を続けている。
(4)人間神化/動物化——人間は霊的な成長を遂げた結果として,神のような存在に進化しうる。しかし,霊の成長を目指さず,物質的快楽に耽る者は,動物的存在に退化してしまう。
(5)秘密結社の支配——人類の進化全体は,「大師」「大霊」「天使」等と呼ばれる高位の霊格によって管理・統括されており,こうした高級霊たちは,秘された場所で結社を形成している。他方,その働きを妨害しようと目論む悪しき低級霊たちが存在し,彼らもまた秘密の団体を結成している。
(6)霊的階層化——個々の人間・文明・人種は,霊格の高さに応じて階層化されている。従来の諸宗教において「神」や「天使」と呼ばれてきた存在の正体は高級霊であり,それとは反対に,「悪魔」や「動物霊」と呼ばれてきた存在の正体は低級霊である。
(7)霊的交信——高級霊たちは,宇宙の構造や人類の運命など,あらゆる事柄に関する真実を知悉しており,必要に応じて,霊媒となる人間にメッセージを届ける。
(8)秘教的伝統・メタ宗教——霊性進化に関する真理は,諸宗教の伝統の中に断片的な形で受け継がれている。ゆえに,それらを総合的に再解釈し,隠された真理を探り当てる必要がある。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.45-47

心霊主義

ここで示されているのは,次のような構図である。イギリスの生物学者ダーウィンが1859年に公刊した『種の起源』は大きな反響を呼び,その理論は社会に速やかに普及していった。そしてそれは,進取の気性に富んだ国民性を有するアメリカにおいても例外ではなかった。その地において,最新の科学理論として受容された進化論は,キリスト教の「古臭い教会神学」に止めを刺すものと解されたのである。
 しかし他方,ピューリタンによって建国されたアメリカは,実直なキリスト教信仰が息づく場所でもあった。経験なキリスト教徒たちは進化論を,キリスト教の教義に反する邪説として排撃したのである。その際に引き起こされた,生物学的進化論とキリスト教的創造論の対立は,アメリカ社会において今もなお,論争を呼ぶ主題であり続けている。
 ともあれ,進化論の普及によって,純朴なキリスト教信仰をそのまま維持することが困難になったことは,疑いようがなかった。また,アメリカ社会の多くの人々は,従来のキリスト教信仰に飽き足りず,より合理的で腑に落ちる新しい宗教観。死生観を求めていた。そうした欲求に応えるために登場したのが「心霊主義(スピリチュアリズム)」の運動である。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.31-32

種の入れ替え

このようにオウムの世界観によれば,現代における真の対立とは,資本主義と社会主義のあいだに存在しているのではない。先に述べたように,両者はともに物質主義的価値観に立脚しており,その表面上のヴァリエーションが異なるにすぎないからである。
 真の対立はむしろ,「神的種族(神人)」と「動物的種族(獣人)」のあいだにある。近い将来に勃発する最終戦争=ハルマゲドンにおいては,秘められていた両者の対立が顕在化し,それぞれがこれまで積み上げてきた業に対する審判が下される。真理の護持者であるオウムは,最終戦争を生き抜くことによって,世界を支配する主流派を,動物的種族から神的種族へと「入れ替え」なければならない——。これこそが,麻原が口にした「種の入れ替え」という言葉の意味である。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.15-16

二元論

麻原彰晃の世界観,そしてオウム真理教の教義は,その根幹において,きわめて単純な二元論から成り立っていた。その二元論とはすなわち,現在生きている人間たちは,霊性を高めて徐々に「神的存在」に近づいてゆく者と,物質的次元に囚われて「動物的存在」に落ちてゆく者の2つに大別される,というものである。おれをより詳細に述べれば,以下のようになる。
 人間の霊魂は不滅であり,それは輪廻転生を繰り返しながら,永遠に存続する。また,人生における数々の行為は,すべて「業(カルマ)」として霊魂のうちに蓄積される。人間の生の目的は,良いカルマを積むことであり,自らの霊性を進化・向上させることにある。

大田俊寛 (2013). 現代オカルトの根源:霊性進化論の光と闇 筑摩書房 pp.14

毛皮帝国の終焉

ハドソン湾会社の毛皮帝国は,ここに終焉を迎えた。それは17世紀のフランス,イギリスによる北米進出に始まり,ロシア,スペイン,アメリカ,ハワイ,中国などをも巻きこんだ,毛皮交易の時代の終結でもあった。ヨーロッパ列強による北米大陸の領土分割は,毛皮交易を重要な規定要因として,ほぼ完了していた。他方でビーヴァー,ラッコ,バファローなどの毛皮獣は,絶滅の縁に追い込まれた。白人交易者のパートナーだったインディアンも,カナダ領では1870年代のいわゆる番号条約(71年の第1条約から77年の第7条約まで)を強制されて土地を奪われ,保留地に押し込められた。白人とインディアンのパートナーシップを体現する混血民メイティも,リエルが指導した2度の蜂起を武力で鎮圧され,無権利状態に追いやられる。クリー族の族長たちは,71年4月にエドモントン・ハウスで彼らの土地がカナダに売却されたことを知らされた。インディアンにとっては,神からすべての人間に与えられたはずの土地が売却の対象になること自体が理解できなかった。

木村和男 (2004). 毛皮交易が創る世界:ハドソン湾からユーラシアへ 岩波書店 pp.216-217

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