科学がそれほど目覚しい功績を挙げているなら,科学的観点からして当然な超自然現象を否定する見解を,たいていの人が無視するのはなぜだろう?超自然現象信奉には根拠がないという科学者の言葉に,一般大衆が耳を傾けないのはなぜか?ここで,超自然現象信奉には総じてふたつの形があるという事実に注目していただこう。宗教的な超自然現象信奉(神,天使,悪魔,生まれ変わり,天国,地獄など)と非宗教的な超自然現象信奉(テレパシー,透視能力,ESP)である。宗教はおしなべて超自然現象信奉を基盤としているが,超自然現象信奉のほうは宗教に根差しているとは限らない。宗教と科学と超自然現象の相違に関連しては実に強硬なロビー活動や議論も展開されていることを考えると,これは重大な違いである。
ブルース・M・フード 小松淳子(訳) (2011). スーパーセンス:ヒトは生まれつき超科学的な心を持っている インターシフト pp.86-87
(Hood, B. (2009). Supersense: Why We Believe in the Unbelievable. London: HarperCollins.)
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