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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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自己破壊的行動

 ずっと昔から哲学者たちは,強欲が悪習である理由の一つとして,それが自己破壊的だという点に気がついていた。つまり,富をせっかちに求めすぎると,人は長期的にはかえって貧しくなってしまう。高等動物すべてにおいて,この報酬の重みづけ機構が基本的に同じなら——こう思うからこそ,たとえばラットでドラッグ中毒の試験をしたりするわけだが——定量的な実験では明らかにこの自己破壊的な現象が見られる。たとえば,ハトは近い将来の手軽な少量のエサよりも,遠い将来の大量のエサを選ぶ。でもその近い将来の少量のエサがいますぐ目の前にある場合には,そちらを選んでしまう。そして目先の少量のエサという選択肢をもたらす色つきボタンの他に,それを将来的に無効にするような別の色つきボタンを用意しておくと,ハトの一部は実際にそちらのボタンをつつくことで,自分にとって不利だが魅力的な選択肢を避ける——つまりハトですら,目先の小さな報酬に流されがちなのはよくないと認識しているわけだ。

ジョージ・エインズリー 山形浩生(訳) (2006). 誘惑される意志:人はなぜ自滅的行動をするのか NHK出版株式会社 pp.49-50
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前説の仕事とは

 そんな前説である事件が起こった。ある新喜劇の番組の前説で,僕たちはまずお客さんを温めるためにネタをやった。それが受けて気持ちよくなった。ネタの途中くらいで前説の持ち時間がなくなったので,ネタを終わらせて舞台から降りた。お客さんも温まったし自分たちの中では満足して帰ると,新喜劇の作家さんがえらい剣幕でボクたちのほうへ来てこういった。
 「お前ら,前説知らんのか?何一つ説明もしないで,自分の与えられている役割を理解してたか?」
 正直,前説は盛り上げ役だから,自分の中では罪の意識はなかった。そこに作家さんは続けていった。
 「今からお前らのやったことの結果をみておけ」
 半信半疑のまま新喜劇をみることになった。幕が開いて主役が登場,客席はただざわざわしているだけ,次々と演者さんが登場するがまばらな拍手がちらほらあるだけ,やりにくそうな演者の人たち,たかが拍手の説明をしなかったことがこれほどまでに影響するか?というくらいつらい舞台になっていた。
 そして最後に作家さんから一言。
 「こういうことや,覚えとき,ま,うちはもう二度と君たちに頼むことはないけど」
 ほんとうにこれを機に前説がなくなった。

山里亮太 (2006). 天才になりたい 朝日新聞社 pp.137-138

特別な自分

 で,「自分は特別」という気持よさをもっと感じているためになにをしたらいいのかを逆算して考えた。
 ここが天才の方々と凡才の僕の大きな違い。天才は,計算などせずに自然とやってきたこと言ったことを,周りが勝手に「特別だ」とか「変わっている」と思う,どういうものだ。それに対して僕は,周りに「特別だ」と意識させるようにし向けて,自分をそこに追い込んでいく。でもその結果,労力の差はあるが結構近づける。そのときは純粋にそう思っていました。

山里亮太 (2006). 天才になりたい 朝日新聞社 pp.59-60

偽りの優越感

 ずっと必死だった。必死な自分を確認しないと,張りぼての自信がはがれてしまい,就職の話を持ってくる両親の言葉に心が折れてしまいそうだったから。
 そうして,必死に努力することで,自分を天才だと思い込ませた。「偽りの天才」を作り込んでいた。それも自分を守るには,大切なことだった。
 その中で,自分を天才と思い込ませる方法の選択の1つを大きく間違えた。それは水上君にできてないと指示することで自分ができている気になってしまっていたということだ。自分を高めることをせずに相方のあらを探し,そこを攻めることにより得る優越感。それは僕を何一つ成長させてはいなかった。

山里亮太 (2006). 天才になりたい 朝日新聞社 pp.48

お笑い芸人が人見知り?

 ここで,「お笑い芸人が人見知り?」と思った方がいるかもしれません。ボケをかましたりツッコミを入れたりって,人見知りでできるの?そう思ったあなたに,説明します。
 それは,僕が思うに,お笑いというものを目指す時点で,人に見られたいという意識が人より強いのだと思うんです。ただし人に見られたいという意識は怖いもので,見ている人間の考えを勝手にこちらで考えてしまうんです。
 こう言ったらこう思われるんじゃないか?ここで笑っていたらこう思われるんじゃないか?この話をしたらセンスないと思われるんじゃないか?……と詮索する量が増え,結果,行動が制限されて,人見知りのでき上がり。

山里亮太 (2006). 天才になりたい 朝日新聞社 pp.27-28

偽りの天才

 そんないくつかの「時々」を集めてできた「偽りの天才」の制作作業,こいつはすごい。なにがすごいってたいして自信がないものでも,周りからポロっと出た褒め言葉などで小さな自信を張っていってもらったり,些細なことをそこに結びつけたりすることによって,結構立派な張りぼてってつくれるものなんです。僕はそれを「張りぼての自信」と考えた。この張りぼての自信がお笑い芸人になるために大阪に,そのための浪人という冬の時代をすんなりと受け入れさせてくれました。

山里亮太 (2006). 天才になりたい 朝日新聞社 pp.20-21

心理学者の利用

 それでも,やはり心理学者をマーケティングの世界で使ってみたほうがいいんじゃないかとわたしが思う理由は,心理学者には,人の心理に関して,前の章でも述べたように,ある仮説でだめだったら次の仮説,それでもだめならまた次の仮説と,次々に仮説を用意するだけの知識がふつうの人よりは豊富にあるからです。また,効果的な実験の組み立て方や結果に対する分析などといった学問的なサポートもできます。

和田秀樹 (2011). 脳科学より心理学:21世紀の頭の良さを身につける技術 ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.186

知識が邪魔をする人

 当たり前のことのように思うかもしれませんが,知識が思考を拡げるのではなく,逆に思考停止の原因となってしまっている人は,研究者と呼ばれる人たちの間にも珍しくありません。

和田秀樹 (2011). 脳科学より心理学:21世紀の頭の良さを身につける技術 ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.118

詰め込み

 最近は,「インテリ芸能人」のクイズ番組や高校生クイズ大会など,従来の知識を問うクイズではなく,頭の良さを競うと銘打ったクイズ番組がよく放送されていますが,それらも,要するに,漢字をたくさん知っている,四字熟語や慣用句をよく知っているといった,いわゆる知識を競っているだけのもの。昔から,詰め込み教育では発想力は鍛えられないなどと言いながら,まさに,詰め込みの成果を見る以外の何ものでもないようなクイズ番組の勝者を,地頭がいいなどと言って崇め奉っているのです。

和田秀樹 (2011). 脳科学より心理学:21世紀の頭の良さを身につける技術 ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.102

評価の他分野への波及

 つまり,あることで頭が良いからといって,別のことで頭が良いかどうかはまったくわからないいのに,ノーベル賞をとったという理由だけで,教育に対して何の実績もない人を教育問題のトップにしてしまい,国全体がたいへんなことになってしまったわけです。

和田秀樹 (2011). 脳科学より心理学:21世紀の頭の良さを身につける技術 ディスカヴァー・トゥエンティワン pp.99

ワイズマンが好きなジョーク

 取材を受けているときに,何人もの記者から,しょっちゅう同じことを訊かれた。「1年間,これだけたくさんのジョークと接してきて,いちばん気に入っているジョークは何ですか?」私は,いつもこう答える。

 犬が電報を頼みに行き,申し込み用紙に,次のように書いた。
 「わんわんわん。わん,わん。わん。わんわん,わん」
 職員は用紙を受け取ると,親切に教えた。
 「これだと23文字ですね。あと1回,『わん』と入れても,料金は変わりませんよ」
 犬は困ったような顔をして答えた。「それだと意味が通じなくなっちゃう」

 なぜ,このジョークが好きなのか,わからない。ただおかしくて笑ってしまう。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.247

ジョーク研究

 アイゼンクは,ドイツの漫画を英語に翻訳して,イギリス人たちに見せ,その漫画がどれぐらいおもしろいか,1人ひとりに採点してもらった。すると,3か国の漫画の得点は,どれもほとんど同じだった。次に,それらの漫画が,イギリス,アメリカ,ドイツのどの国のものか当てさせた。これによって,ある漫画がどの国のものかを判断するのに何が決め手になっているかを調べることができた。ドイツの漫画だと思われた作品は,アメリカやイギリスのものだと思われた作品よりも,おもしろくなかった。さらに分析すると,国ごとの固定観念が明らかになった。ドイツの漫画と思われた作品の特徴を見ると,太った女性,趣味の悪い服の少女,古臭い家具といったマイナスのイメージが誇張されていた。
 アイゼンクは,実験の第二部で,イギリス人,アメリカ人,ドイツ人(実際は,戦争のために祖国から逃げてきた人びと)に,同じジョークや詩を採点してもらった。すると,だいたいアメリカ人は,イギリス人やドイツ人よりもおもしろがる傾向があったものの,どんなジョークをおもしろがるか,国別の特徴はあまりなかった。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.241

口説き文句

 いちばん効果的な口説き文句は何だったのだろう?私たちはいちばんの人気者と嫌われ者とを比較した。モテ男になりそこなった人は,「ここへはよく来るの?」という陳腐な質問や,「ぼくはコンピューター関係の博士号を持ってます」とか,「友達にヘリコプターのパイロットがいて」というような自慢話で泥沼にはまっていた。恋の達人は,変わった方法で相手から話を引き出していた。いちばん人気があった男女の質問をお見せしよう。男性は,「君が有名人そっくりショーに出るとしたら,だれになりたい?」女性は「ピザのトッピングになるとしたら,何になりたい?」だった。
 このような話題が,なぜそんなに人気をさらったのだろう?その答えの鍵は,ストローと変な声に関するちょっと変わった実験にありそうだ。
 2004年に,心理学者のアーサー・アロン(1974年に橋の実験をした人)とニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のバーバラ・フレイリーが,見知らぬ人同士を無作為に組ませて,やや変わった行動をとらせた。1人は目隠しをされ,もう1人は歯でストローを咬む(すると,変な声になる)。2人はそれから,一連の作業をやらされたが,実験社の意図は2人を笑わせることにあった。目隠しをされた人は,耳から聞こえる声だけでダンスのステップを習うが,ステップの指示を読む人はストローをくわえたままなので,おかしな声だった。にぎやかな実験はさらに続き,好きなテレビコマーシャルを,自分の造語でまねるように言われた。もう1つのグループは,同じことを普通にまじめに行った。普通とは,目隠しせず,ストローをくわえず,造語ではなく普通の英語で物まねしたということだ。最後に,全員にアンケートを行い,どれぐらいおもしろかったかを尋ねた。目隠し,ストロー,造語のほうが,なしの場合よりも,はるかにおもしろがられていた。そして,とどめの質問,「あなたはパートナーにどれぐらい親近感を感じましたか?2つの輪を重ねて表現してください」については,ユーモラスな体験を共有した人たちは,はるかに強い親近感を抱き,相手に魅力を感じていた。
 私たちのスピードデートの実験で人気抜群だった口説き文句は,おそらく口にストローをくわえて変な声を出すような効果があったのだろう。愉快な経験を共有すると,親近感が生まれ,魅力を感じるようだ。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.186-188

効果的な口説き文句は?

 付き合ってほしい人に自分を印象づけたいとき,どんなふうに話しかけたらよいだろう?インターネットで検索しても役には立たない。オススメとされているセリフは相手に自分をよく印象づけるどおろか,嫌われそうなものばかりだ(「ここは暑いですね。あなたのせいかな?」「アルファベットの順番を入れ替えるなら,UとIを一緒にしたいな」「自分の電話番号忘れちゃったよ。君の番号を教えてくれる?」)エジンバラ大学の研究グループが,いちばん強力な口説き文句を決定するために,昔からよくある口説き文句を人びとに採点してもらった。その結果,ストレートなセックスアピール(「わお!ね,フレッド・フリンストーンにはなれないかもしれないけれど,ぼくは君の岩床になるよ!」)や,お世辞(「やっと会えた!ずっと探していたんだよ。君こそぼくの夢の乙女だ」)は,研究者も不審に思うほどだった。さんざん頭を抱えて悩んだすえ,これらの口説き文句が使われたのは,「男性が性的規範がゆるい女性(売春婦)かどうか知りたいとき」だったのではないかということになった。得点が高かったのは,ウィットにあふれ,陽気な人柄や,豊かさや,教養の高さを感じさせる文句だった。これは研究としては立派なものだ。ただ,本人たちも認めるように,匿名でアンケートでイエスにチェックされたからといって,現実の場で,そううまくいくだろうか?

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.183-184

身長と地位

 身長とステータスの関係は,おもしろい現象をもたらす。ある人の身長がどのぐらいに見えるかは,その人の地位の高さによって変わるようだ。この興味深い現象を初めて科学的実験で確かめたのは,クイーンズランド大学の心理学者,ポール・ウィルソンだった。ウィルソンは,異なる学生グループに同僚の学者を紹介し,彼の身長がどのぐらいだと思うか尋ねた。学生には内緒で,ウィルソンは,グループごとに紹介の仕方を変えている。最初は,学生だと言い,次は講師,上級講師,そして最後には正教授だと紹介した。すると,学生たちの目に映るその男性の身長は,どんどん高くなった。たんなる学生と紹介したときには,173センチと思われたのに,講師だと紹介すると,2.5センチ高く見られた。上級講師だと言うと,学生の目にはさらに2.5センチ高く映り,かなり異例のスピード出世で正教授へ昇進すると,なんと183センチになったのである。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.172

名前の効果

 ペルハムらは,人名と居住地の関係,人名と結婚相手のとの関係だけにとどまらず,姓と職業選択の関係についても調べた。米国歯学会と米国法律協会の名簿をオンラインで検索したところ,歯科医には“Den”で始まる人の名前が“Law”で始まる名前の人よりも多く,法律家には“Den”よりも“Law”で始まる名前の人が多かった。さらに,金物屋と屋根屋のデータも調査した。ヤフーのインターネット・イエローページで全米第20位までの大都市にある金物屋(ハードウェアストア)と屋根屋(ルーフィングカンパニー)の経営者のファーストネームまたは姓が,HまたはRで始まっているかどうかを調べた。すると,金物屋の経営者にはHで始まる名前(「ハリス・ハードウェア」など)が多く,屋根屋にはRで始まる名前(「ラシド・ルーフィング」など)が多いことがわかった。ペルハムによれば,同じ傾向は政治にも当てはまる。2000年の大統領選挙のとき,Bで始まる姓の人にはブッシュ支持者,Gで始まる人にはゴア支持者が多かった。ペルハム教授は,この結果を「なぜスージーは海岸で貝殻を売るのか——潜在的自己中心主義と人生の重要な選択(Why Susie Sells Seashells by the Seashore: Implicit Egotism and Major Life Decisions)」という論文で発表した。その結論で,「こうした結果が表れるのは,人びとが無意識のうちに自分にとっていちばん大切な人を思い出させるものに引かれるせいなので,さして驚くことではない」と述べている。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.160-161

(引用者注:2002年のJPSPに掲載された論文のことである)

言葉が流行っただけ

 なぜ,ジェイムズ・ヴィカリーは,ポップコーンとコークの売り上げを増加させたのに,デフロアーとペトラノフは,ベーコンの売り上げを増やせなかったのだろう?その謎は,1962年にやっと解けた。ヴィカリーが「アドバタイジング・エイジ」誌のインタビューで語ったところによると,サブリミナル効果と購買行動の関係は,まだ発表段階ではなかったのに,マスコミにリークされてしまったらしい。実際は,特許申請に必要な最小限のデータはそろったものの。あまりに少なすぎて効果を確認できたとは言いがたかった。国民も政界も,事実ではなく,虚偽の報告をもとに議論していたのだ。ヴィカリーは,インタビューの最後にこう言った。「私がしたことは,結局,新しい言葉を一般の人に知らせたっていうか……もうあのことは考えないようにしています」ヴィカリーは,人びとのあいだに「サブリミナル」という言葉をはやらせただけではない。彼の虚構の研究は都市伝説になり,一部の人は,今もサブリミナルメッセージで品物を買わせることができると信じている。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.153-154

サブリミナルの影響?

 1958年の7月,WTTV4チャンネルを見た人びとは,「フランク・エドワーズを見なさい」と「ベーコンを買いなさい」というメッセージを浴びつづけた。実験まえ,フランク・エドワーズの平均視聴率は4.6パーセントだったが,2時間サブリミナルメッセージを流しつづけたあとは3パーセントに落ち込んだ。ベーコンを買いなさいというメッセージの効果も同じくぱっとしなかった。ジョン・フィグ社のベーコンは,放送まえはインディアナ州で週に6143個売れていたのが,6204個に増加したが,じつにささやかな差である。ようするに,サブリミナルメッセージは,ベーコンの購入にはほとんど影響がなく,あったとすれば,多くの人にフランク・エドワーズを見させなかったことぐらいで,サブリミナル攻撃の影響はたいしたことはなかった。
 デフロアーとぺとらのふは,知らないうちに自分の行動や考えを操られることはないから。安心して眠ってよさそうだと結論を出した。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.152

神様に会える

 コンサート実験の準備段階で,私たちチームは巨大なパイプオルガンが設置された教会や大聖堂をいくつも見てまわり,実際,かなりハイレベルな超低周波を発生するオルガンを発見した。ということは,教会で霊的体験をする人びとは,パイプオルガンの超低温に反応しているのかもしれない。あるパイプオルガン製作者が言うには,「このパイプから出る音が耳に聞こえないんじゃ,ずいぶん値の張るすきま風だと思われるかもしれないけれど,これで神さまに会えるのなら,安上がりなんじゃないですかね」。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.146

何でも起きうる

 これほど多くの人間が密集して行動したり,それに反応したりしているのだから,どんな出来事の組み合わせだって起きて不思議はない。小さな問題もたくさん起きるだろう。びっくりするような変なことかもしれないが。

 この考えが当てはまるのが,アナグラムである。あたかも隠れたメッセージを含んでいたり,ある人や出来事について簡潔に言い当てていたりするかのように見える。‘US president Ronald Reagan’(アメリカ大統領ロナルド・レーガン)は,‘repulsed and ignorant arse’(拒絶された無知な最低男),‘President Clinton of the USA’(アメリカのクリントン大統領)は,‘to copulate he finds interns’(性交相手に研修生を選ぶ)となる。

リチャード・ワイズマン 殿村直子(訳) (2008). Qのしっぽはどっち向き?:3秒で人を見抜く心理学 日本放送出版協会 pp.127

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