ところで,もし地球外に知的生命体が存在するとしたら,どんな星に住んでいると思うだろうか。多くの人は,それは私たちが直接知っている現在の地球のように比較的過ごしやすくて安定した惑星だろうと考えるのではないだろうか。これもラウプが教えてくれたのだが,NASAをはじめとした地球外知的生命体探査(SETI: Search for Extra-Terrestrial Intelligence)の研究機関も,かつてはそのように考えていたとのことだ。でも,「かつて」ということは,いまはちがうということである。いまでは,もし高等な知的生命体が存在するとしたら,それは安定した惑星環境ではなく,種の絶滅を引き起こす環境の撹乱がたっぷりとあり,それによって種分化が促進されれるような惑星環境,つまり理不尽な絶滅が起こるような惑星にちがいないと考えられているのである。