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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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神経症傾向の高低の欠点

 人類の祖先の環境において,あまりにも低すぎる神経質傾向は死亡率を増大させる原因となり,そのために淘汰されたと見るのは理にかなっている。状況が厳しく,グループ間での,またグループ内での競争による現実の脅威があるとき,最もうまくやれたのは神経質傾向がきわめて高い人々だったかもしれない。イスラエルのゴルダ・メイア首相はこう言ったと伝えられる——「私が被害妄想だからといって,彼らが私を捕らえないということにはならないでしょう。」逆に,状況が穏やかなときには,スコアの高い人は行き過ぎた不安の代償を支払ったことだろう。くよくよせずに人生を過ごすのんきな連中にくらべて,警戒しすぎるのは不利になったはずだ。ここでもまた,閾値の最適レベルは,局地的状況と集団の構成によって変動したことだろう。

ダニエル・ネトル 竹内和世(訳) (2009). パーソナリティを科学する 白揚社 pp.136
(Nettle, D. (2007). Personality: What makes you the way you are. Oxford: Oxford University Press.)
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