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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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リスクはゼロにならない

 もちろん,私たち医師は「副作用が起こってもよい」と思っているわけではありません。ただ,「絶対に起こらない」などという幻想を信じていないだけなのです。交通事故だって,起こそうと思っている人など一人もいないのに,起きてしまいます。そのリスクにどう対処するかと知恵を絞った結果,シートベルトやエアバッグが付いているわけです。
 交通事故を100パーセント回避するためには,車自体をなくせばいい。医療も,リスクを100パーセント回避するためには,手術をしない,薬も使わせないのがいちばんよいわけです。でも,それでは病気は治らないし,死を待つしかなくなります。
 だから,リスクはあるけれども,病気の人に利益をもたらす可能性が高いものを薬として処方する。何度もいいますが,これが医療の発想,薬の本質です。

岩田健太郎 (2009). 麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか 亜紀書房 p.162
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