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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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距離をおく権利

 自由な社会では,攻撃することは許されないが,嫌悪を感じる者とのあいだに距離をとる権利(あるいは生々しいつきあいを拒絶する権利)が保障される。自分にとって醜悪な者が大手を振って生きているのを見ることに耐えなければならないだけで,自分がそのスタイルに巻き込まれる必要はない。この安全保障が,人間社会にたえず自然発生し続ける憎悪と迫害の力を弱め,人が誇りを持ってそれぞれの生を美しく生きるためになくてはならないものであると同時に,多種多様な相容れない生のスタイルを生きる人々が,「仲良く」しなくても共存できるようにする社会の秩序原理でもある。「存在を許す」自由の秩序は,「仲良く」しなくても安心して暮らせるしくみなのだ。

内藤朝雄 (2009). いじめの構造:なぜ人が怪物になるのか 講談社 pp.213-214
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