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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「空気」だけが存在

 本来そんなことがあってはならないのです。私が言おうと言うまいとこれは,客観的な,疑いようのない事実だ。行政関係者でも学識経験者でも,いやそれ以上に産業人であれば,日本や首都圏の生産年齢人口をチェックしていない方がおかしいのです。経済的に極めて重要な指標なのですから。でも実に驚くべきことに私の見聞の範囲では,これを自分で確認しておられる人にはほとんど会ったことがない。そして,「地域間格差は拡大の一途だ」だの,「高齢化は地方を蝕む病だ」だの根拠のない「空気」だけが世の中に蔓延しています。なに寝言を言っているのか。高齢者の激増,子供の減少,いずれも首都圏の真ん真ん中で起きている,首都圏住民自身の問題なのです。
 これは首都圏が少し前の過疎地と同じような人口動態に突入したということです。だから,三越と伊勢丹が統合する。車の売れ行きが落ちる。「識者」やマスコミはそれを「嗜好の変化」だという。これだけ年齢構造が変われば,それは嗜好も変化しますよ。昔と今,同じように無作為抽出でアンケート調査をすれば,サンプルの中の現役世代が減って,高齢者が増えているわけで,「これから車を買います」「スーツを買います」という人が減っいて,「もうそろそろ車はいいです」「もうスーツは要りません」という人が増えているのは当然です。逆になぜ首都圏の病院がこうも混んでいるのか,なぜ救急車のたらい回しといった事件が首都圏で増えているのか,こうした現場の実態も,首都圏での高齢者の激増という数字と明確に一致します。現場の事実や数字と一致しないのは,「首都圏は若い」「地方はともかく若者が流入する首都圏は大丈夫だ」という「空気」だけです。

藻谷浩介 (2010). デフレの正体:経済は「人口の波」で動く 角川書店 pp.100-101
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