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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「世襲」の問題

 そして,世界の中でも日本特有の異常な風習の極めつきが「世襲」だ。何十年も議員をやってようやくリタイアする頃になると,選挙区から支援者まで何から何までを息子や娘に譲り与え,2代,3代と議員を継ぎ,まるで「家業が議員」という形ができあがる。一族全員が何代にもわたって税金で生活しているのだ。
 もちろん,アメリカにもブッシュのような二世議員がいるが,海外の二世議員は自分自身で支援者を募り,寄付金を集めなくてはいけないから,日本の二世議員とは内容が違う。あれだけ民主主義でうるさいアメリカの国民が,「世襲だ!」などと文句を言わないのはそのためだ。
 ここでひとつお断りしておくが,私は世襲のすべてがいけないとは思っていない。何代も続いた旅館の主人を息子が世襲してもいいし,ラーメン屋の息子が店を継いでもいい。それは単に仕事を受け継いだだけだし,そこから修行もするだろうし,本人の努力がいるからだ。
 議員だって「寄付金型議員」で世襲するならばまったく問題がない。どれだけ寄付金を集められるかは本人の努力次第だ。日本の場合は議員が「職業型」であり,単なる「税金の世襲」になってしまっているから問題なのだ。これは断じてあってはならない。

河村たかし (2008). この国は議員にいくら使うのか:高給優遇,特権多数にして「非常勤」の不思議 角川SSコミュニケーションズ pp.35-36
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