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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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地球全体が生命体だった

 アリストテレスは,物質にはそれぞれ異なる欲求や願望をもつ生命力が備わっていると考えていた。また万物は四大元素——土,水,空気,火からできているとした。土は下降しようとする傾向が強く,水はそれよりは穏やかに下降しようとする。空気は上昇しようとし,火はより激しく空に向かって上昇しようとする。水中のあぶくが上に昇ってくるのは,水より上にいたいという「欲求」が空気にあるからなのだ。したがって運動は,物体がそれ自身に与えられた高さに達したいときや,外力がかかったときに起きる。いかなる物体についても,その説明が完全であるためには,その物体が存在する目的すなわち目的因を考慮せねばならないとされた。天空の星々は四大元素以外の第五元素であるエーテルから成る。エーテルはすべての元素の中でいちばん軽く,永久に続く運動を表わした円を描いて運動する。地球はあらゆるもののなかでいちばん重いので,宇宙の中心にあらねばならなかった。
 こうした目的論的な世界観においては,地球自体が一種の生命体であった。地震,風,流星などの自然現象は地球の「呼気」であるとされた。医師の息子だったアリストテレスは,つねに地球と人体を比較対照した。震えや痙攣は体内を吹き抜ける一種の風のせいであり,地震はより大きな規模の風のせいだと考えていた。

デイヴィッド・オレル 大田直子・鍛原多恵子・熊谷玲美・松井信彦(訳) (2010). 明日をどこまで計算できるか?「予測する科学」の歴史と可能性 早川書房 pp.54
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