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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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単に現実逃避

 催眠療法を望む人々にも,大きな問題がある。献花セラピーと呼ばれるゲシュタルト療法のような心理療法では,日本人特有の甘えが許されず,自己の問題と厳しく対峙しなければならない。ところが,催眠療法は受け身の姿勢でよいため,きわめて依存的な姿勢で治療に臨む者が目立つ。たとえば夫婦間がうまくゆかないないのは,過去生のカルマにあると考え,現実の問題と向き合おうとしなかったり,催眠から眼が醒めれば,生まれ変わると勘違いしている人たちが少なくなかった。それでは,単なる現実逃避にすぎず,霊能者のもとを訪れる行為と何ら変わらない。彼らは,初めから自分で判断することを放棄し,既成の権威などに価値判断を委ねる。そのため,権威を騙る治療者にたやすく騙されてしまう。

福本博文 (2001). ワンダーゾーン 文藝春秋 pp.164
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