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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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月の種類

 月の満ち欠けのサイクルは「新月」から始まる。英語で新月を「new moon(新しい月)」と呼ぶのはそのためだ。新月のとき,月は真っ暗だ。新月になるのは,空で月が太陽の近くにある時期である。大洋が非常に明るく,それに対して月が暗いので,新月はとても見つけにくい。たとえば,イスラム暦[ヒジュラ暦とも。月の運行を基準にした純粋な太陰暦]の1ヵ月は,新月を最初に確認できたときに始まる。そのため,イスラム教徒は非常に慎重に記録をつけ,極力早く新月を発見できるように目のいい観測者を待機させていた[今でも断食月の初めと終わりは,肉眼による新月の観測で決定している]。
 「上弦月」とは,月が半分光っているときだ。英語で上限月を「first quarter」[「最初の4分の1」の意]と呼ぶのは,太陽に近い点をスタートとして,月が地球を4分の1周したときの月だからだ。。これは新月からほぼ1週間後にあたる。北半球から見れば,月の右半分(太陽に面した側)が光り,左半分が暗い。南半球から見れば,この逆になる。北半球から見れば,南半球の人は上下が逆だからだ。
 その1週間後には「満月」になり,月面全体が等しく照らされる。満月は夜空で太陽の反対側にあり,太陽が沈むと満月が昇ってくる。
 その1週間後が「下弦月」だ。上弦月と同じように,下弦月も半分が光っていて,さらに上弦月と同じく,太陽に近い半分が光っている。しかし,下弦月では,上弦月と反対側が光っている。北半球から見れば,左側が光っていて,右側は暗い。南半球では逆だ。
 最終的に,1週間後には再び新月となり,満ち欠けのサイクルが繰り返される。こうした4種類の月のあいだの月にも,名前がある。月の明るい部分が広がりつつあることを,月が「満ちる(waxing)」という。新月と上弦月のあいだの月はまだ三日月型だが,徐々に大きくなって,上弦月に近づいていく。このときの月を英語では「waxing crescent(満ちていく三日月)」と呼ぶ。上弦月を過ぎて満月に近づいているとき,月は「ギッボス(gibbous)」,あるいはもっと正確に言えば,「waxing gibbous(満ちていくギッボス)」である。満月を過ぎると,月は小さくなっていく。これを月が「欠ける(waning)」という。「waning crescent (欠けていく三日月)」である[これらに対応する日本語の名称はない。ただし,「小望月」(満月の前夜),「立待月」(満月の2日後)などと,特別な呼び名がある月もある]。

フィリップ・プレイト 工藤巌・熊谷玲美・斎藤隆央・寺薗淳也(訳) (2009). イケナイ宇宙学:間違いだらけの天文常識 楽工社 pp.87-88
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