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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ネットワークの構造

 ネットワークの形状は,構造あるいはトポロジーとしても知られており,ネットワークの基本的な特性である。この形状はさまざまな視覚化,つまり表現できる。だが,ネットワークがどう視覚化されようと,形状を決めるつながりの実際のパターンは変化しない。そこで,床にばらまかれた500個一揃いのボタンを想像してみよう。ボタンをつなぎ合わせるのに使う2000本の糸があるとする。次に,2つのボタンを適当に選び,糸の両端に結びつけるものと想像してほしい。この後この作業を繰り返し,糸を使い切るまで行き当たりばったりにボタンのペアをつなげていく。最終的に,何本もの糸に結ばれたボタンもできれば,たまたま一度も選ばれず,ほかのボタンとはつながっていないボタンもできるだろう。ことによると,いくつかのグループ同士がつながっているものの,ほかのグループからは独立しているという場合もあるだろう。これらのグループは——つながりを持たない1つのボタンだけからなるものを含め——ネットワークの構成要素と呼ばれる。私たちがネットワークを説明する際,最大の構成要素だけを意味していることが多い(この例で言うと,最も多くのボタンからなる構成要素)。
 一つの構成要素のなかから一つのボタンを選び,床からつまみ上げれば,直接・間接にそれとつながっているほかのボタンもすべて空中に持ち上がることになる。このボタンの塊を床の別の場所に落とせば,最初につまみ上げたときとは違って見えることだろう。だが,つながったボタンの塊を何度つまみ上げて落としても,トポロジー——ボタンのネットワークの根本的で本質的な特性——はまったく変わらない。各ボタンはほかの特定のボタンに対し,以前と同じ位置関係にある。ネットワークにおける位置は変わっていないのだ。視覚化ソフトはこれを2次元で表し,基本的なトポロジーを明らかにしようとする。そのために,最も複雑なつながりを持つボタンを中心に,最もつながりの少ないボタンを端に配置するわけだ。まるで,こんがらがったクリスマスツリー用の豆電球をほどこうとしているようなものである。からまりあった巻きひげのように引き伸ばせる部分もあれば,床の上で何度ひっくり返しても中心にありつづける,つながり合った豆電球の束もあるからだ。

ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー 鬼澤忍(訳) (2010). つながり:社会的ネットワークの驚くべき力 講談社 pp.27-28
(Christakis, N. A. & Fowler, J. H. (2009). Connected: The Surprising Power of Our Social Networks and How They Shape Our Lives. New York: Little, Brown and Company.)
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