忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

本を作るコスト

 紙の新刊本の場合,コストには,大まかにいって編集費,印刷・製本代,流通経費,販売経費,著者印税(だいたい10%)がある。出版社はこのうち,流通,販売以外のすべての経費を本の定価の60〜70%に設定し,制作した本を流通業者である取次に卸す。つまり,本の定価から見ると,著者の取り分(印税)が10%,取次がおよそ20%,書店がおよそ10%となっていて,出版ビジネスは残りの60%をどうやりくりして利益を上げるかということになっている。
 ところが,電子出版の場合,印刷・製本代がいらなくなる。取次も書店も通さないから流通・販売経費もいらなくなる。これは一見すごく有利と思えるが,アマゾンやアップルは30%を持っていくし,ほかの電子書籍販売会社は50%〜60%も持っていくところがあるので,実際は,コスト削減にはなっていない。まずここに,著者や一般の大きな誤解がある。

山田順 (2011). 出版大崩壊:電子書籍の罠 文藝春秋 pp.177
PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]