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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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了見

 そしてもう1つ,必ず師匠を意識し,受け継いでいるものがあります。それはちょっとした台詞の言い回しや仕草かもしれないし,稽古の仕方や演出方法かもしれない。さらに言えば,落語への取り組み方,その姿勢なのかもしれません。
 5代目小さんは,よく「了見」という言葉を使っていました。噺の中の人物を演じきるには「その人物の了見になればいい」なんて言ってましたね。
 私はこの「了見」はすべてのことに通じると思うのです。もっと落語が上手くなりたい,なぜお客さんは自分の噺を理解してくれないのか——それは落語家本人の了見次第。そして,答えは自分で捜索して見つけるというのも,師匠のに教わったことです。私が祖父から伝えてもらったものはあまりに多く,大きかったことを,今さらながらに感じずにはいられません。


柳家花緑 (2008). 落語家はなぜ噺を忘れないのか 角川SSコミュニケーションズ pp.145
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