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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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境界線

 しかし,そこで高等教育の政策を考える人たちは,あることに気が付きました。それは,四年制大学への進学門戸の「バルブ」を全開にしても,進学希望者はせいぜい同年人口の50%程度しかいないということです。慎重に右肩上がりの傾きを調整してきたわけですが,結局大学進学率50%のところには,調整しなくても頭打ちになるような「ガラスの天井」があることがわかったのです。
 それにしても,どうしてこのような「ガラスの天井」があるのでしょうか。また,どうしてそれは40%や60%ではなく,50%なのでしょうか。その理由については,社会学や教育社会学,経済学などで,さまざまに考えられています。しかし何が主たる原因なのか,いまのところ確定的なことはわかっていません。
 いま確実にいえるのは,日本社会では,大学側の門戸の広さ,少子化による18歳人口の漸減,大卒者を受け入れる産業界の雇用の数,高校生の進学希望,親の進学希望など,大学進学にかかわるいずれの要素をとっても,この境界線がほぼ50%あたりで均衡するように作用しているということです。つまり,大卒/非大卒フィフティ・フィフティというのは,政策上の手を加えることで簡単に変えられるものではなく,現代日本社会のさまざまなものごとが,がっちりと組み合わさって生み出されている比率なのです。そしていま,この比率が親世代と子世代の間で受け継がれ,同じかたちで繰り返されているのです。

吉川 徹 (2009). 学歴分断社会 筑摩書房 pp.26-27
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