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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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クレンズ

 ハリウッドやニューヨークでは葦のように細いボディが必須だ。だから女優の卵の多くは専属コーチの助言に従って,クレンブテロールというステロイドの服用を始めている。本来は馬の喘息治療薬で,略して「クレン」と呼ばれる。単なる短縮形だけれど,ある考え方に対する暗黙の了解を示してもいる。何も食べず,より小柄で,より細くなることで女の子はどういうわけか「浄化(クレンズ)」され,みんなよりも優秀で目立った,ちょっぴり輝きの増した存在になれる,という考え方である。このステロイドを数週間服用し続けると,サイズ2以下のいわゆるサンプルサイズの容姿が手に入る。するとこうしたミニセレブ専属のスタイリストは,彼女たちの服をデザイナーからただでもらうことができる。そう語るのは,カーメン・エレクトラやヴァージニア・マドセンといった女優のスタイリストを務めてきたアマンダ・レノである。だが同時にクレンは脳卒中や心臓発作のリスクを高め,持久力を失わせ,心筋を硬直させる。つまるところ,容姿はグンとアップするけれども,死ぬ確率もアップするというわけだ。

アレックス・クチンスキー 草鹿佐恵子(訳) (2008). ビューティー・ジャンキー:美と若さを求めて暴走する整形中毒者たち バジリコ pp.176-177
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