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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ロフタスが受けた仕打ち

 世界でも認められた研究者で,偽りの記憶に関する研究分野の「女王」エリザベス・ロフタスは,世間から敵意を向けられる経験をしている。その理由の1つは,子どもに対する性的虐待の重大さを軽視するものとして,ロフタスの研究が理解されているからだ。

 大学で同じ学部にいる同僚全員に,怒りの電子メールが送られてきた。無差別に送られてきたあるメールの書き出しは次のようなものだった。「ロフタスのような人間と一緒に働いていることを恥ずかしく思え」と。私の「敵たち」は,私の招待講演を取りやめるよう,専門団体に働きかけたことがあった。いくつかの大学では,もし講演が中止されなかったら危害を加えるという脅しの電話があったので,招待講演の間ずっと武器を携帯した護衛が側にいたこともあった。倫理的な苦情を送ってくる人もいた。私がいる大学の学部長,学長,州知事宛に抗議の手紙を書き,送りつけるキャンペーンを大々的に行って,私を困らせようとする人もいた。飛行機で隣に乗り合わせた人が,私が誰かわかると,持っていた新聞で私を叩いたこともあった。そのときはじめて,卑劣な攻撃というのが,どのようなものか実感した。

カール・サバー 越智啓太・雨宮有里・丹藤克也(訳) (2011). 子どもの頃の思い出は本物か:記憶に裏切られるとき 化学同人 pp.269
(Sabbagh, K. (2009). Remembering Our Childhood: How Memory Betrays Us, First Edition. Oxford: Oxford University Press.)
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