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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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早熟なだけ

 ときに非常によく物を覚える子があるもので,数える片はしから覚えこんで,千字文がすむと「蒙求」という歴史ものにとりかかり,それがすむと今度は学校に入ってから習うはずの「四書」「五経」まで,ずんずん進んで行く。そのなかでもよくできる子は,これはえらい天才が現れたという評判が立ち,だんだん噂がひろまって天子の耳にまで入ることがある。すると天子は特別に童科,つまり子供の科挙を開いて試験し,及第すると童子出身という肩書をあたえることがあった。
 しかし童子出身者はいたずらに早熟なだけで,それ以後どうも大成した者がない。結局大人のおもちゃにされたのが落ちということが多い。童科は宋代に大いに流行したが,後世その弊害に気づいてだんだん廃れて行われなくなった。

宮崎市定 (1963). 科挙:中国の試験地獄 中央公論社 pp.12
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