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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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学歴上昇感

 1960年代半ばころから,大卒者の人生行路は,しだいにただのサラリーマンになりはじめていたのだが,まだ特権的な「学卒」という言葉もあった。大学生にとっての教養知識人の物語と大学生の実人生に距離が広がりはじめていたが,亀裂にまではいかなかった。そして,このころの大学生の保護者の学歴は義務教育か,せいぜい中等教育程度である。ほとんどの大学生の親は高等教育を経験していない。大学に進学すればそれだけで大きな上昇感を抱くことになった。そうした上昇感がそれ(学歴上昇感)に見合った身分文化への接近を促す動機づけになった。大学生の身分文化こそ教養主義だったのである。

竹内 洋 (2003). 教養主義の没落 中央公論新社 pp.203-204
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