忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

複雑なダンス

 科学者が沈黙する1つの理由は,科学の中で行なわれている個人とグループの間の複雑なダンスにある。科学者は大きな発見をして得られる賞賛と威信に強く動機づけられている。しかしそれと同時に,科学者は自分自身が脚光を浴びるのをしばしばためらう。その理由には2つの面がある。まず,現代科学の成果はほぼ例外なくチームワークによって生まれるということがある。この点については後でまた触れる。そしてもう1つ,たとえ1人の人間の天才あるいは創造性から生じていても,知識が科学の一部になるのはそれが専門家たちの意見の一致を反映している場合だということがある。現代の世界において科学が飛躍的に前進するのは,数十人,あるいは数百人の研究者の集合的な努力の結果であることが普通だ。現在のIPCCは数千人の研究をまとめ上げようとしている。前に出て同僚たちを代表して話す科学者は,すべての栄誉を独り占めにしようとしていると非難されるリスクを犯すことになる。

ナオミ・オレスケス,エリック・M・コンウェイ (2011). 世界を騙し続ける科学者たち(下) 楽工社 pp.251
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]