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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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正の相関をとる

 このような実験で何が見つかると予想するだろうか?一方で,他人より「聡明で」「鋭敏で」「知能が高い」人がいるという一般的な見方があるだろう。きっと,同じ子供が複数の教科で優れている傾向があるという予想ぐらいはするはずだ。他方で,私たちは,それぞれの人が独自の能力や適性を持っていることもよく知っている。語学の得意な人とクリケットの技術者が同じだとは思わない。このように考えると,かなり低い相関を予想するだろう。少なくとも,学業成績と感覚能力の比較においてはそうだろう。
 スピアマンの最初の大きな成果は,すべての相関が正である傾向を示したことだ。いくつかの相関は他のものに比べて高かった。確かに,日常の直観が正しく,異なる教科間の相関は,学業成績と感覚弁別閾の相関よりたいてい高くなることは分かる。それでも,すべてのデータをプロットすると図1cのようになる。少なくともある程度,1つのことをうまくやる人は,ほかのこともうまくやることが多い。スピアマンの結果によって初めて,こういった結果が客観的な基礎の上に置かれ,それが正確にどのくらい正しいのかを測定する方法が得られた。

ジョン・ダンカン 田淵健太(訳) (2011). 知性誕生:石器から宇宙船までを生み出した驚異のシステムの起源 早川書房 pp.51-52
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