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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「いじめられる側も悪い」?

 「いじめられる側も悪い」なんていう発言をよく聞いたりしないかい?「抵抗しないから悪いんだ」「周りをイライラさせているのがいけないんだ」「もっと明るくならなくちゃ駄目だ」「本人にだって責任があるんだ」。でも,この手の発言って,そもそも間違っているし,加害者のためになっていて,むしろ有害なんだ。

 「いじめられっ子にも責任がある」という発言の多くは,どうしてそうなったのかという「理由」と,誰の責任かという「責任」ともごちゃまぜにしてしまっている。

 例えば,君が図書館に行ったときに,たまたま自転車に鍵をかけないでいたら自転車を盗まれたとする。そのことを誰かに言ったら,「それは君が悪いよ」と冷たく突き放されてしまった。でも,これって,おかしくない?悪いのは,どう考えたって盗んだ犯人だ。君は悪くないはずだ。

 確かに,君が鍵をかけていれば,自転車を盗まれる確率は減ったかもしれないし,これからも自転車に乗り続けられたかもしれない。でも,それはあくまで,盗まれてしまった「理由」が,「鍵をかけなかったこと」にあったという話であって,君が「悪い」とか,君に「責任がある」とかっていう話とは別のはずだ。

内藤朝雄・荻上チキ (2010). いじめの直し方 朝日新聞出版 pp.56
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