忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

88年から89年

 ここで注意したいのは,前の「女性自身」の記事の見出しに「幼児虐待」という文字が使用され,「チャイルド・アビュウズ」とルビが振られている点である。現在の感覚では何ということはない見出しだが,実は「幼児虐待」「児童虐待」という単語がこの種の大衆誌に使用され始めるのがこの1988年から89年であり,それまでは「子殺し」「子捨て」「子いじめ」「せっかん」などさまざまな言葉で呼ばれていた現象が,ある1つの用語=問題系へと集約されていくのである。事実,前記の記事以外にも,この時期には「幼児虐待!ひどい!ストロー1本で土の中に埋められた坊や」(「女性セブン」1988年11月24日号),「告発幼児虐待!!園児が泣いている!」(「週刊女性」1989年6月6日号),「児童虐待・恐るべき実態!パパ,ママ,殺さないで!!」 (「週刊女性」1989年8月1日号)など,「幼児/児童」と「虐待」という言葉を並置した見出しが量産されている。

佐藤雅浩 (2009). 児童虐待とオカルト—1980年代女性週刊誌における猟奇的虐待報道について— 吉田司雄(編著) オカルトの惑星—1980年代,もう一つの世界地図— 青弓社 pp.183-207
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]