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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ゼロサムゲーム

 人間の脳にとって,注意力は本質的にゼロサムゲームである。1つの場所,目標物,あるいはできごとに注意を向ければ,必然的にほかへの注意がおろそかになる。つまり非注意による見落としは,注意や知覚の働きに(残念ながら)かならずついてまわる副産物なのだ。そのように,非注意による見落としの原因が視覚的な注意力の限界にあるとすれば,見落としを減らしたり取り除いたりすることは不可能だろう。つまり,非注意による見落としをなくそうとするのは,人間に両腕をパタパタ動かして飛べと言うようなものなのだ。人間の体の構造は,飛ぶようにできていない。同様に脳の構造も,つねにまわりの世界をすみずみまで知覚するようにはできていないのだ。

クリストファー・チャブリス&ダニエル・シモンズ 木村博江(訳) (2011). 錯覚の科学 文藝春秋 pp.56
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