忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

結合性双生児

 結合性双生児をかたどった最古のものは,臀部で結合した太めの中年姉妹の白い大理石像で,新石器時代の小アジアの神殿で発掘された。それから3000年後に,オーストラリア先住民アボリジニの手によって,現在のシドニー郊外近くの岩に,双頭の結合性双生児(頭が2つに胴体が1つ)を記念してその姿が刻まれた。さらにその2000年後(紀元前700年)には,ギリシャ時代の幾何学文様の陶器に,ギリシャ神話に登場するモリオネが産んだ息子たちの姿が描かれている。エウリュトスとクテアトスという名の兄弟は,ひとりはモリオネと海神ポセイドンの息子,もうひとりはモリオネとアクトル王の息子と言われている。父親どうしは仲が悪かったにもかかわらず,兄弟は1つの胴体と4本の腕を持ち,それぞれ槍を振り回した。現代のイギリスのケント州の教区では,復活祭の翌日に体の側部がぴったりくっついた2人の女性をかたどったパンが,貧しい人々に配られる。ノルマン人の征服時代からの伝統で,かつてその地で暮らしていた結合性双生児の姉妹が,協会に財産を遺贈したことを記念したものらしい。

アルマン・マリー・ルロワ 上野直人(監修) 築地誠子(訳) (2006). ヒトの変異:人体の遺伝的多様性について みすず書房 pp.24
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]